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ひともす書房に、ひとりの若い女性・美月が訪れます。
手にしていたのは、亡き母が残した一束の手紙──。
「忙しさを理由に、母に向き合えなかったかもしれない」
そんな思いを抱えながらも、彼女はついに母の言葉と向き合うことを決意します。
手紙に綴られていたのは、ありふれた日常のなかで娘を想い続けた母の愛。
「来てくれるだけで、十分嬉しかった」
──その言葉は、時を越えて美月の心に届きます。
言葉は書かれたときではなく、読まれたときに力を持つもの。
眠っていた手紙は、いま再び命を得て、美月を優しく包んでいきます。
第11話『言葉が眠る場所』。
どうぞ、あなたの心にも寄り添う言葉が届きますように。
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